◆LRT19年12月開業◆~宇都宮市実施計画~国に月内申請

宇都宮市は19日、次世代型路面電車(LRT)事業実施に必要な軌道法上の特許取得に向けた「軌道運送高度化実施計画」を市議会に説明した。同計画は20日の芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会、21日の芳賀町議会での説明を経て月内に国土交通省関東運輸局に提出、2016年度早期の認定を目指す。特許を取得できれば7月に施工認可を申請し事業に着手、同年度内にも着工する。開業予定は19年12月とした。

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計画は、宇都宮市、芳賀町、宇都宮ライトレールが策定し、事業の概要や資金計画、事業効果、軌道施設の管理方法など11項目にまとめている。

 JR宇都宮駅東口の宮みらいから芳賀町下高根沢まで14.6キロに複線の軌道を敷設し、19の停留場と車両基地1カ所、変電所4カ所などを整備する。必要な資金は、土木費、軌道整備費、車両購入費など、消費税別で458億円を見込む。

 ワンマン運転で最高速度は開業後当面、軌道運転規則の上限の40キロとする。その後、自動車交通と並走する平面区間の一部で50キロ、LRTだけが走る高架区間の一部を70キロで走行して速達性を高める「特認」を早期に得ることを目指す。

 収支の試算は、開業2年目の20年度に単年度黒字化、9年目の27年度に累積赤字が解消するとしている。

 ただ国の指導に従い、人口減少率を参考に毎年度運賃収入が0.5%減少する見通しとし、人件費と物価の伸びをそれぞれ毎年度0.3%と0.2%と見込んだ。これを踏まえた開業30年目の累計の黒字額は、従来の31億2千万円から12億2千万円に引き下げられた。

これについて市LRT整備室は「より厳しい条件で試算しても30年間を黒字で営業を継続できるということを示した」としている。

 また従来、軌道の距離を約15キロとしてきたが、軌道の線形を確定させる作業を経て14.6キロとなった。運転士は4人減り、開業時の運営会社組織は93人になる。(飯塚博)

(下野新聞 平成28年1月20日掲載文より)

2016/03/21