公示地価◆住宅地上昇 3市に集中◆~宇都宮、下野、小山 商業地は全て宇都宮~

 国土交通省が22日公表した1月1日時点の公示地価によると、県内の平均価格は前年比1.2%減の4万1900円となった。住宅地、商業地ともに24年連続 で下落したが、下落幅は4年連続で縮小し、宇都宮市などの中心部では地価が上昇する地点も増加した。ただ、過疎化の進む地方は下落しており、依然として二 極化の状況が続いている。

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  住宅地(340地点)の平均価格は、1.2%減の3万5000円で、下落率は0.5ポイント縮小した。上昇地点は宇都宮市、下野市、小山市の3市に集中し ており、前年の14から23に増えた。最高価格地点は「宇都宮市宿郷5の9の12」(11万5000円)で15年連続、上昇率(2.7%)でもトップだっ た。

 下落率が最大だったのは、「那須烏山市小倉字台畑1100の36」の4.7%で2年連続。市町別の下落率では、那須烏山市と益子町、茂木町がともに3.2%で最大だった。

 商業地(88地点)の平均価格は1.3%減の7万3000円で、下落率は0.8ポイント縮小した。上昇した11地点は全て宇都宮市だった。最高価格地点は、「宇都宮市池上町1の3」が31万8000円で5年連続。

 一方、市町別の下落率では茂木町(4.3%)が最大で、那須烏山市(4.1%)、市貝町(4.0%)と続いた。工業地(19地点)の平均価格は0.8%減の2万1200円で1.2ポイント縮小した。

 不動産鑑定士の深沢昌治氏は、今後の経済状況によるとしながら「地価の下落率の縮小や横ばい、上昇が見られる傾向は続くだろう。底値感があり、足利市や佐野市などでは回復の動きがみられるのではないか」と話した。

(読売新聞 平成28年3月23日掲載文より)

2016/03/25