今年の11月に予定されている、宇都宮市長選挙。
今のところ、立候補者は3名となっています。
前回に引き続き、今回もLRT(次世代型路面電車)のインフラ整備が選挙の主な争点となりそうです!
ただ、前回の選挙と違うのは、LRT(西側延伸)に賛成する候補が2名出たことです。
街に新たなインフラを整備し、都市の再開発を促すような政策に賛成する票が二分してしまうことは避けられないでしょう。
ちなみに前回2020年の宇都宮市長選挙は候補者2名で、当時もLRTのインフラ整備を主な争点とし、賛否を問う、わかりやすい選挙でした。
前回2020年の選挙では、すでに2018年にLRT東側整備の着工は始まっていましたから、今更開発がひっくり返るはずもなく、選挙の争点としてはオワコンの雰囲気もありましたが、多選している現職候補と争って票につなげるには「LRT反対!」が必要だったのでしょう。
結果的には、得票数で2倍近い差を付け現職の佐藤市長が当選したことで、着工中のLRT整備が選挙によって住民の大多数から承認されたような結果になりました。
そして、今回の選挙でもまたまた「LRT反対」を旗印にした候補が名乗りを上げました。
立候補を表明した上田氏はなんと87歳で、「宇都宮市のLRTに反対し公共交通を考える会」の代表を務めています。
宇都宮市のLRT事業に対して上田氏は、「宇都宮市は『路線バスの街』」だとして「LRTありきではなく路線バスや道路整備を優先させるべき」としています。
そのうえで「計画されている駅の西側への延伸に絶対反対。
延伸に反対する候補者なしで選挙が行われるのは見過ごせない」と立候補の理由を明かしました。
上田氏は、すでに開業している東側含め、LRT導入全てに長年反対を表明していました。
ネット上では上田氏の出馬ニュースに対し、厳しい意見が寄せられています。
すでにLRT東側のインフラ整備は大成功を収め、マスコミ各社から大々的に取り上げられ、全国の自治体からも視察が相次ぐなか、選挙の争点として扱うにはかなり厳しいのではないでしょうか。
また運転手の深刻な不足により、全国的に路線バスの維持は、困難になっています。
過去ログ→【宇都宮市のLRT、開業1年、見えてきた経済効果!】人口減のなか大幅な経済成長へ!市税収入は初の1000億円超えを見込む!?
過去ログ→【宇都宮市のLRT西側延伸、待ったなし!?】バス運転手不足で公共交通の崩壊が始まっている!
選挙に勝つことを目的とせず、長年の主張を貫き通す意地だけで立候補しているようにも見えてしまいます。
人口減少が続く日本では、居住地の選別が続く
「LRT反対!」を主張をするのは自由です。
しかし、結果的には、宇都宮市全体で人口が減少するなか、インフラ整備を行った、LRT沿線は魅力ある場所となり、住民が増え続けています。
つまり、宇都宮市がLRTを整備し、インフラ投資を行ったことで、街の再開発が促され、民間企業からの巨額の投資を呼び込み、街全体の成長発展につながっています。
もし、LRTへのインフラ投資を行っていなければ、これらの変化は起こりませんでした。
税収の予測を見ても、宇都宮市全体として人口減少が進むことが確実ななか、LRTの開発効果で、順調な都市の成長による税収増が予想されていて、都市開発の重要性が際立つ結果となっています。
人口が減るなか、税収が増えるということは、住民一人あたりに使える予算が増えることを意味し、多くの高齢者が期待する、住民への福祉サービスの維持や充実につながります。
もし、人口が減るのと同じように、税収も減っていくことになれば、今まで行われていた福祉政策も削減せざる得ないだけでなく、生活に必要なインフラの維持さえ困難になります!
都市の再開発&成長の否定は、死のスパイラルへ
もしもすべからく、都市開発への公共投資を拒絶し、都市の成長を否定し、変化を拒み、現状維持を望むと、どうなるのでしょうか?
時代の変化に対応することなく、必要となる新たなインフラへの公共投資を拒絶することは、都市そのものを否定することと同意です。
時代の変化に対応できず、必要な再開発が行われない都市では・・・・・