LRT西側延伸、事業費が1.7倍に膨れ上がる現実!
日本経済新聞やNHKが報じたように、宇都宮市の次世代型路面電車「LRT(ライトライン)」のJR宇都宮駅西側延伸計画について、当初見込みの約400億円から約700億円へと事業費が1.7倍に膨らむことが明らかになりました。
→宇都宮LRT、概算事業費700億円に 物価高騰で300億円上積み(日本経済新聞)
→LRT西側延伸計画 事業費700億円ほどに膨らむ見通し(NHK)
これは大きな変化です。
しかし、急激な社会経済情勢の変化を考えれば、ある意味で避けられない現実だったとも言えるでしょう。
振り返れば、開業済みの東側路線でも総事業費が当初予定から1.5倍となり、最終的に684億円となりました。
今回の西側延伸計画では、車両価格が当初想定の約2倍、労務・資材費が約1.25倍になったことが主な要因とされています。
また、運行サービス充実のため車両編成数を当初の5編成から11編成程度に増やす検討も行われています。
物価高騰の本質を考える
ここで重要なのは、この物価高騰の本質を理解することです。
これは単なる一時的な現象ではなく、資源減耗による世界的なエネルギーコストの上昇と、それに伴う経済全体のコスト増加が根本的な原因です。
かつては比較的低コストで大規模なインフラ整備が行えた時代もありましたが、現在は資源獲得のコスト増加や国際的なサプライチェーンの問題などにより、同じ事業でもはるかに高いコストがかかるようになっています。
これは世界中で起きている避けられない現実です。
また、以前このブログでも取り上げましたが、日本国内では建築人材の深刻な不足はこれからが本番です!
過去ログ→【インフレと人手不足で、東京都心部でも再開発が困難に!?】LRT西側延伸と宇都宮駅西口の再開発にも暗い見通しが💦
人件費はここからさらに上昇し、建築コストはダブルパンチで上昇に圧力にさらされ、工期も大幅に延長せざる得なくなるのは、容易に想像できます。
これからさらに増額する可能性が高い
私の懸念は、今回発表されたこの700億円という数字でさえ、最終的にはさらに増額する可能性が高いということです。
LRT東側路線の整備経験からも、工事が進むにつれて予想外の追加費用が発生する可能性は極めて高いでしょう。
仮に東側路線と同じ1.5倍に膨らむとして概算すると、最終的な事業費はなんと、1000億円を超える可能性もあります。
これは当初計画の2.5倍以上です。
事業費の増大は、もはや特殊な事例ではなく、現代のインフラ整備における構造的な課題となっています。
複雑化する事業費負担の調整
事業費の増大は、宇都宮市だけの問題ではありません。
LRT事業は市、・・・・・