宇都宮市内の分譲マンションの売れ行きが明らかに減速しています。
マンションが完成しているのに、売れ残っている物件が目立ち始めてきました。
止まらない建築コストの上昇で、販売価格も上昇を続けていますが、、実質賃金はマイナスを続けており、さらにここへ来ての金利上昇です💦
購入サイドは、物価上昇に所得が追いつかず、買いたくても買えない物件が増えており、購入物件の強制的なダウングレードを迫られております。
一方、富裕層向けの、JR宇都宮駅西口から徒歩1分のタワーマンションは完成前に、あっさり完売です。
そもそも、宇都宮市のような地方都市では、分譲マンションが開発される場所は、街の都心部に集中しますが、その都心部内でも、さらにミクロな2極化が進みそうな状況です。
今回は、最新の全国マンション販売状況を見ながら、宇都宮市の不動産相場の先行きについて考察してみます。
宇都宮市の分譲マンション市場に見る明暗
全国的なマンション市場の動向
全国的に見ると、2025年に入ってからのマンション市場は明確に変化の兆しを見せています。
首都圏の2025年2月度のデータでは、新築マンションの発売戸数は前年同月比2.4%減少の1,288戸となり、在庫も調整局面に入りつつあります。
特に注目すべきは、地方都市における分譲マンション市場の変調です。
東京23区などの都心部では依然として需要が堅調ですが、それ以外のエリアでは価格高騰で売れ行きが弱まり、在庫が積み上がる傾向が顕著になってきました。
宇都宮市における具体的事例
宇都宮市内でも、この傾向が如実に表れています。市内の新築マンションプロジェクトの販売状況を見ると、明確な二極化が進行しています。
特に顕著なのが、立地による販売状況の差です。
JR宇都宮駅西口から徒歩1分のタワーマンションなど優良立地の物件はすでに完売し、広告にも掲載されていません。
一方で、駅から少し離れた物件は完成後も売れ残りが目立ち、広告に掲載され続けている状況です。
この状況は、同じ宇都宮市内でありながら、わずか数百メートルの立地条件の違いによって販売状況が大きく異なる「ミクロな二極化」が進行していることを示しています。
優良立地の物件はすぐに売れ、市場から姿を消す一方で、それ以外の物件は販売に苦戦している実態が浮き彫りになっています。
販売不振の背景にある複合要因
この状況を引き起こしている要因は複合的です。
まず、建築資材の高騰と人件費の上昇により、デベロッパーはコスト増を販売価格に転嫁せざるを得なくなっています。
今年に入ってからも建築コストの上昇傾向は継続しており、この傾向は当面続くと予想されます。
一方で購入者側を見ると、実質賃金はマイナスを続けており、購買力が低下しています。
→実質賃金1.2%減 2か月連続マイナス 物価上昇に賃金追いつかず(NHKニュース)
さらに、2025年1月に日銀が政策金利を0.25%から0.5%に引き上げたことで、住宅ローン金利も上昇傾向にあります。
これにより、「買いたくても買えない」層が増加していることが、販売不振の大きな要因となっています。
今後の宇都宮市不動産市場の展望
今後の宇都宮市における分譲マンション市場はどうなるのでしょうか。
現状のトレンドが続けば、以下のシナリオが考えられます。
- プレミアム立地の強さが継続 – JR宇都宮駅直近の超好立地物件は、今後も堅調な需要が続くでしょう。特に富裕層や投資目的の購入者からの支持は変わらないと予想されます。
- 準好立地物件の価格調整 – 駅から徒歩5〜15分程度の準好立地物件は、今後価格調整を余儀なくされる可能性があります。現在の販売価格では需要とのミスマッチが生じており、在庫解消のためには何らかの価格戦略の見直しが必要となるでしょう。
- 郊外物件の厳しい・・・・・