ここ最近のマスコミ各社の報道やSNSの動向を見ていても、LRT開通後に宇都宮市は、街としてブランド力を圧倒的に向上させたのを実感します。
万年ネガティブイメージを押し付けられ、自虐的になっていた北関東の人たちに、LRT開通が変革の兆しを与えたのは間違いないでしょう。
街の魅力はつまるところ、そこに暮らす人たちが、街を愛する想いや、街に対するプライドを持っているかなのです!
たいてい魅力度が高いと言われる都市(横浜や京都)出身の人は、我が街自慢をすごくしてきますからね。
街の魅力は不動産価値と直結する
なぜ魅力ある街づくりが重要かというと、そこに「人」「モノ」「金」が集まるからです。
「人」「モノ」「金」が集まらない街は衰退し、街としての機能を果たせなくなりますから、各都市間で魅力を競うのは必然になります。
とはいえ、総務省のアンケートデータを見るとどの地域でも生まれ育った土地から出ていく人の割合は、20〜30%位で、ほとんどの人は出身地で終生を過ごします。
日本はすでに人口が大きく減り始めており、移住するマイノリティ層を地域から流出させないためと、新たな移住者を呼び込むためにも、魅力ある街造りは欠かせなくなっています。
これから予想される宇都宮市の高齢者運転問題
今ですら少子高齢化が深刻な状況なのに、これからさらに日本では高齢者の割合が急増するのは確実です。
免許を返納する人も年々増える一方となります。
特に団塊の世代と言われる、人口のボリュームゾーンが後期高齢者を迎えることで、日常の足としての交通問題が顕在化するのは避けられないでしょう。
このところ、高齢者の運転ミスによる交通事故の問題がニュースになることが増えています。
LRT開通当初、数件連続してあった衝突事故を起こしてしまった方も、65歳上の高齢ドライバーの方々でした。
個人差があるとはいえ、高齢になり身体的な衰えが目立っている状況で、自動車の運転を強行するのは自殺行為です。
自分だけにとどまらず、交通事故で人を殺めてしまってからでは、どうしようもありません。
しかし、身近な足がマイカーしかなければ、背に腹は代えられないので、ちょっと危ないと感じていても運転を続けざる得ない人が多いのが実情でしょう。
いまさら自転車に乗るのも危ないし、かといって歩いてスーパーまで行くのも無理があるような場所に住んでいる多くの高齢者の方は、公共交通の便利な宇都宮市内の別の場所に引っ越しするなんて発想はまずないでしょう。
LRTで変わる引っ越しニーズ
LRTが開通したことで、高齢者の方でも、マイカーなしでも快適に暮らせるエリアが宇都宮市内にできたことで、マイカー依存の流れは大きく変わり始めています。
先ほど紹介したデータのように8割以上の方は、いくらマイカーに乗れなくなったところで住み慣れた我が家から出ないと思います。
それでも、連れ合いが亡くなって一人になった等のきっかけで、5〜10%くらいの高齢者の方だけでもLRT沿線のマンションに引っ越すようなことなると、不動産市場に与えるインパクトは非常に大きくなります。
高齢世帯が持っていた家を売って、LRT沿線に引っ越すとなると、沿線の需要は上がり、公共交通の便の悪い郊外の物件が余っていく流れが加速します。
宇都宮市もLRT沿線にインセンティブをつけ居住者を誘導
先日公表された、宇都宮市の今年度における予算案の大網では、LRTや公共交通の利用促進に予算をつけてバックアップしていくこが鮮明です。
交通弱者の年少者や高齢者に配慮し、公共交通の利用に大きな割引を予算を付けて、需要の創出とライフスタイルの変化を促しています。
ニューファミリーの住まいとしてもLRT沿線は老後にマイカーが運転できなくなったことを考慮すると、非常に魅力的です。
一方、マイカーに極度に依存した宇都宮市の・・・・・・