国交省から、中古住宅の購入を後押しする、新たな支援制度が創設されるようです。
若年層の中古住宅購入支援=40歳未満に最大65万円-国交省(時事通信社)
それによると、
40歳未満の若年層に限り、
中古住宅を購入し、リフォーム工事や耐震改修をした場合、
最大65万円を補助する。
というもの。
晩婚化が進んでいるっていうのに。。。なぜ40歳未満だけ!
住替えを促すためにも、年齢制限は無しでもいいのではないでしょうか。
制限を設けるなら、所得制限の方が良かったと思います。
さらに。。たったの65万円って。。。
ホームインスペクション(住宅診断)もしなければならないようで。。
てか、ホームインスペクションだけで結構な費用がかかりますよ。
ちなみに65万円で住宅診断以外で、何ができそうか?
宇都宮市の平均的な中古住宅、建坪30坪位の2階建ての建物で、壁クロスの貼替とハウスクリーニングを行うだけで、ほぼ終了な金額です。
キッチンやお風呂なんかの水廻りも含めてリフォームしようと考えたら、軽く300万円オーバーなのが普通です。。
これくらいの支援金額だと、これくらいの支援金額だと、住宅流通の8割以上が新築物件の日本では。。
『支援制度もあるし、ちょっと中古も見てみるか。』
しかし。。新築と中古を比較しだして。。。
『中古でもいいと思ってたけど、リフォーム費用が全然足らない。。やっぱり新築がいいな。』
くらいにしかならないでしょう。
リフォーム済みでない、中古住宅を買うのは本当に大変です。
ある程度、直してから住もうと考えたら。。
業者へ見積もりをお願いして、それ自体が高いか安いのかさえよくわからないまま、工事を依頼して、しっかり仕事をしてもらわなければならない。
素人がやるには、出会った業者次第で、運任せの部分も多く、
工事代金も、ただ安ければ良いってことだけじゃないのが難しい。
中古住宅にはリスクはたくさんあるけど保証はない。
一方、新築住宅には、10年保証が義務付けられている。
業者が再販する中古物件が人気なのは、
リフォーム済みでハウスクリーニングも終わっていて、
すぐに快適に住める状態になっているからです。
(更に瑕疵担保責任も2年付きます。)
一方、一般の方が売り出す、中古住宅は現況のまま。
洋服でいえば、今、脱いだばかりのシャツをそのまま売りにだしているようなもの。
ボタンが取れていたり、汗がしみこんでいるシャツを、まだ使えるからと他の人に薦めているのと同じです。
洋服で考えても、中古のシャツを売りに出すなら、壊れたところは補修して、クリーニングに出して、のりがピッタっと効いた状態にしないと高くは売れないでしょう。
しかし、住宅になると、
脱ぎっぱなしのシャツをそのまま売るようなことが横行してます。
これでは、いつまで経っても中古住宅の価値は上がらないし、流通も促進しないでしょう。
国は、空家問題の深刻さを考慮して、必死に中古住宅の流通を促進させたいようですが。。
まず重要なのは、売主さんへの意識改革でしょう。
支援制度を行うこと自体は悪くないと思いますが、それなら、
買主ばかりをターゲットにするのではなく、
中古住宅の売主さんもターゲットにして、
リフォームをしてから売る方向に促す
支援策も同時に行うのが得策でしょう。
中古住宅の価値を向上させ、流通を促進させたいなら?
ホームインスペクション(住宅診断)より
ホームステージング(中古住宅の資産価値を高める仕掛け)に力を入れる方が重要でしょう。
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