住宅ローンは35年で組んでも平均14.4年で終わる!家は「15〜20年の一時的な住まい」と考えよう
住宅ローンは、返済期間30〜35年で組む人が多いのですが、実際の完済期間は「20年以下」が多数派です!理由はシンプルで、途中で家を売るからです。
皆さま、こんにちは!
これからマイホーム購入を検討するにあたり、多くの皆さんは「終の棲家」として、一生を過ごす場所と考え、購入時に住み替えや売却のことまで考慮する方はほぼいません。
しかし、現実は冒頭に示した通りで、30年以上の長期住宅ローンを組んでも20年未満に完済(多くが売却)する方が多数派なのです。
つまり、マイホームは「一生住む場所」ではなく、「15〜20年の一時的な住まい」として考えるべきだということです。
実際の住宅ローン完済データの詳細を調べてみますと!
政府統計では、住宅ローンを組む時は平均25.4年で契約しますが、実際に完済するまでの期間は平均14.4年しかありませんでした。
多くの人は当初の計画より11年も早く住宅ローンとの付き合いを終えているのです。
さらに驚くべきことに、70.8%の人が15年以内に完済しており、当初35年ローンを組んでも実際に35年かかる人はわずか0.7%しかいません。
なぜこんなことが起こるのでしょうか?
それは20年もすれば家族構成や仕事、ライフスタイルが激変するからです。
だからこそ、マイホーム選びで大切なのは「今」の基準だけでなく、「15〜20年後にこの家は売れるか?」という視点です。
売りたい時に売れない家が一番のリスクなのです。
今回は、これから宇都宮市や栃木県内でマイホーム購入を検討している皆さんに、地元の不動産業者だからこそ知っている「後悔しない家選び」のポイントをお伝えします。
中古戸建ての値段がどう決まるか知ってますか?
皆さんは宇都宮市内の中古住宅がどのように評価されるか、ご存知でしょうか?
不動産の価値というと、デザインの良さや内装の豪華さ、設備の充実度などを思い浮かべる方も多いはずです。
しかし、実際の市場では全く異なる評価基準が適用されています。
基本は『土地の値段』+『建物の値段』なんですが、一般的な木造住宅の多くは築20年くらい経ってしまうと、価値ゼロとして計算されてしまうのが普通です。
これは意外と知られていない事実です。
皆さんの周りにある築20年以上の住宅、外観は立派でも市場価値はほぼ土地代だけになっていることがほとんどです。
どんなに素敵なデザインの家でも、どんなに文化的価値があると思える家でも、不動産市場では築20年を超えると、ほぼ建物部分の価値はゼロになってしまうのです。
残るのは土地の価値だけというわけです。
宇都宮市の場合、皆さんご存知の通り、市内でもエリアによって土地価格に大きな差があります。
2024年時点での宇都宮市の中古住宅の平均取引価格は2,294万円で、前年比3.5%下落しています。
特に市内北部や郊外エリアでは建物価値の下落が著しく、築20年超えの物件は土地価格だけで評価されるケースが大半を占めています。
昨今は建築コストの急激な上昇で、中古住宅にも一定の価値を見出す動きも出ています。
しかし、20年以上経過した建物で価値があるお家は、それなりに費用をかけてメンテナンスやリフォームを繰り返していたり、高断熱仕様のような長期優良住宅に限られます。
宇都宮市の住宅市場の特徴と不動産の三極化
私たちが暮らす宇都宮市は「住みよさランキング」で常に上位にランクインする暮らしやすい街です。
首都圏と程よい距離にあり、「とかいなか」と呼ばれ、都会の便利さと自然の豊かさが共存する魅力的な地域です。
しかし、私たちの街でも、ミクロなエリアごとによって将来性や住宅価値の維持のしやすさは大きく異なります。
市内に長く住んでいる方ならご存知かもしれませんが、エリアによって10年、15年で資産価値の推移が全く違っているのはよくご存知のはずです。
不動産の3極化とは?
宇都宮市でも全国的な傾向と同様に、不動産の「3極化」が進行し始めています。
これは土地の価値に基づいて地域が3つのカテゴリーに分かれる現象です。
- 価格維持あるいは上昇の地域(全体の10〜15%):主に駅周辺や交通の便が良い地域、周辺に商業施設が充実した地域がこれに該当します。宇都宮市では特にLRT沿線や宇都宮駅・東武宇都宮駅周辺、ベルモールやインターパーク周辺などが該当します。これらの地域は今後も需要が安定し、資産価値が維持されやすいでしょう。
- なだらかに下降を続ける地域(全体の70%): 住宅地の大部分がこれに該当します。宇都宮市でも一般的な住宅地は、緩やかに価値が下がっていく傾向にあります。しかし、良好な住環境や教育環境があるエリアでは、下落率は比較的緩やかです。
- 限りなく無価値あるいはマイナスの地域(全体の15〜20%): 主に郊外の過疎化が進む地域や利便性が極端に低い地域です。宇都宮市の北部や一部の郊外では、すでにこの傾向が見られます。こうした地域の不動産は、将来売却する際に大幅な値下げが必要になったり、場合によっては買い手がつかない可能性もあります。
この3極化を理解すると、全体の85〜90%の土地の価値は今後下がり続けると予測できます。
そのため、不動産投資としてマイホームを考えるなら、「価格維持あるいは上昇の地域」を狙うことが重要です。
言い換えれば、「なだらかに下降を続ける地域」でも、下落率が低く、売却時に需要が見込める場所を選ぶ必要があります。
ライフステージが激変する理由
なぜ多くの方が15〜20年で住み替えるのでしょうか。
これは宇都宮市に住んでいる皆さんなら実感できるはずです。
お子さんが小さいうちは道路や土地の広い郊外のニュータウン、ゆいの杜といった子育てに便利なエリアが魅力的でも、子どもが独立すれば市街地のマンションが便利だと感じるようになります。
子どもの通学や学区を優先し住宅を選んでも、卒業後は別のエリアに移りたくなります。
また、栃木県内の企業にお勤めの方でも、人事異動や転勤で鹿沼市や日光市、真岡市など近隣市町に職場が移動するケースも多いです。
さらに、高齢になって自家用車の運転が難しくなったら、LRT沿線や路線バスの本数が多い、公共交通の便利な物件が魅力的に見えてきます。
こうした様々な理由で、当初は「一生住むつもり」だった家を手放すケースが、私たちが暮らす宇都宮市でも実は非常に多いのです。
今だけでなく、15〜20年後にこの家は売れるのか?
家を買うとき、多くの人は「今の生活にぴったり」という基準で選びがちです。
皆さんも、「この間取りが好き」「このキッチンが理想的」「このロケーションが通勤に便利」といった”今の”基準で選んでいませんか?
でも本当に大切なのは、・・・・・・